企業の評価制度①
評価制度①
はじめに
有機経営では組織コンサルティングを中心に経営に関係する分野のコンサルティングを行なっています。今回は企業の人事制度のコアの部分とも言える評価制度をテーマとして考察してみたいと思います。
人事制度=評価制度と捉えている企業さまも少なくないように感じますが評価制度に対する感情は経営側、社員側ともにポジティブなものではないように思います。経営側からすると面倒くささも手伝い、さらにフラットな関係が文脈として残る沖縄の企業にとっては仲間(同僚や部下)を評価することへの抵抗も存在します。また、社員側はどのように評価されるのかは当然のことながら、誰が評価するのか(まさかあの上司が?)ということが本音では気になるところですし、評価をした後どうなるの?という疑問は常に湧き出るものです。
「我が社に評価制度はあるのか。」この問いへの回答は2択ですから有・無で回答できるでしょう。無しと答えた場合、本当に評価制度が存在しないのかというと一概に無いとも言い切れないのではないかと考えてしまいます。真に評価するという事自体が存在しなければ採用、配置、企画・立案、昇給、昇進(または降格)、解雇、懲戒、育成などオペレーションに関係する要素に全く手を加えないという(良く言えば自由裁量の最大値を持った組織)稀にみる組織となります。
このような組織が継続性と発展性を維持し向上していくためには組織のメンバーが十分大人であることが必要条件として存在し、メンバーにはコミュニケーション、スキル、ダイバーシティへの理解と寛容度、生産性と必要となる生産量とのバランス、クリエイティブな発想と行動、ディスカション能力などが備わっていることでしょう。
仮にこれらの条件をクリアしていれば評価制度などという手間と時間と労力とコンサルティング費用がかかる代物は必要なくなります。この場合、ビジネスモデルが秀逸(ある程度のコモディティでも可)でディレクションが効いているならば(側からみると)自然に売上と利益がもたらされることになるからです。
したがって企業規模が小さくかつ職業倫理とスキルを兼ね備えた大人なメンバーが数名程度集まった組織では実現可能なのかもしれません。