2019年度の最低賃金

8月9日(金)今年の最低賃金額が決まりました。最高は東京の1013円、最低額は790円で15県が同額になっています。3%の引き上げ額になるかに注目が集まった最賃改定ですが、19県で引上げ目安を上回る結果となりました。ちなみに、九州は全ての県で引上げ目安を上回っています。
※沖縄県の最低賃金額は790円

近年の最低賃金の引上げ額は経営、特に財務に強く影響しており、収益力の向上なしには利益を確保することが難しいい状況です。調べてみますと、1977年から2019年の間で今回の引き上げ額は最高額となりました。上昇率では1990年から1992年までの4.3%~4.9%の引上げ率があります。当時はバブル期の終焉といえどもある程度の景気観があったのではないでしょう。過去には4%以上の最賃引上げがあり、今回の3%はそれに比べると引上げ率は小さいですが、日本の経済成長率や最低賃金額が相違するため、現代がより最低賃金の影響を受けやすいのではないでしょうか。

あるエコノミストの予測では、今年のGDP成長率は0.9%、来年は0.4%とほとんど停滞状態です。さらに政府は2023年までに最低賃金の平均額を1,000円にしたいとの目標があり、今後も3%の上昇としますと、2023年には889円、2024年には916円と沖縄県でもあと3~4年後に最低賃金900円時代が到来する可能性があります(額は予測値です)。

働く側からしますと、賃金の上昇はもちろん歓迎です。しかし、賃金上昇と同じカーブを社会保険料も描きますので、可処分所得の上昇は若干相違するでしょう。総支給額は増えたが、社会保険料の等級も上がったため、手取り額が減少するというケースも想定しなければなりませんし、パートタイマーで働く方たちが扶養の範囲内でとどまるということであれば、1日の勤務時間数または1月の勤務日数が短縮される現象も起こりえるのではないかと感じます。

経営サイドは、こうした要因を想定し、現場レベルではオペレーションスタイルの変更・改善、勤務シフト、社員区分の構成、報酬制度、社員採用、社員教育、定型業務の平準化、ICT化、アウトソーシングなどを駆使した上で、ビジネスモデルの改定、創造を戦略的に行っていくべきでしょう。つまり、有機的な経営戦略を描き、戦略を組織に浸透させ機能させる段階に来ているのです(マネジメント力がよりものを言う時代が来ると思います)。

※参考資料:沖縄県の最低賃金の推移は以下をダウンロードください。2020年以降の額は弊社が予測した数値となっています。
沖縄県の最低賃金推移

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