企業の評価制度④

評価制度④

評価制度が効かない状態で苦しむのは経営者よりも社員であるかもしれません(もちろん経営者も同様に苦しむ状態になりますが戦略の実行という職務を帯びるのは現場の社員であり、昇給や昇格などに影響が強い方の側面から見てみます)。

通常評価時期は年2回〜3回程度(賞与時期(夏・冬)と決算年度末)行われ、12ヶ月ある内の2回は業績結果を反映し、残り1回はトータルで評価されることになります。あらかじめ評価項目を周知しスタートしますが評価項目の内容を十分理解できるレベルにあるのは稀です。

さらに上司も評価制度を十分理解しないまま手間のかかる厄介なイベント程度に捉えていると、紙(評価シート)を渡して終わりという惰性の産物が組織の中に一つ生み出されることになります。この状態になると社員に何が起こるのか。

  • 面倒臭くて意味のないことに自己評価しなくてはならない
  • 自己評価したところで状況は変わらない
  • 昇給やボーナスに影響はあまりないと気づいている
  • 辛く評価することが評価だと考えている上司の下では将来は暗い
  • 適当に書いて出せばOK

などと言ったところでしょうか。このようなことが状態化した評価制度は社員にとってデメリットとして認知されることでしょうし、経営側にとって大きなダメージになります。マイナスな感情を保有した評価制度は重要な資源を少しずつ減少させることになります。

本来は戦略を実行することで商品・サービスの浸透や狙ったポジションへの移行、戦略実行の結果から生み出される富の配分となりの企業に関わりのある人が幸せになるはずです。そのためのガイドとして評価制度には、評価項目や業績目標が設定され、周知され、理解され、実行されるという循環をつくりだす機能が内在しているのですから。

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