バーニングオーシャン
映画『バーニングオーシャン』は、2010年にメキシコ湾沖で発生した実際の事故を映画化したものです。海底油田から逆流してきた天然ガスの引火により大爆発を起こし、施設社員が被害の拡大を食い止めようとする姿や施設からの脱出などが描かれています。原因は、安全よりも利益を優先させた幹部が、安全確認の進言を受け入れず油田の掘削作業を進めさせたことでした。優先順位の錯誤、特に安全性を軽視すると手痛いどころか取り返しのつかない事態を招いてしまうという教訓も込められていると感じます。
経営の視点からは先ほどの優先順位があります。もう一つ映画の中で興味を惹かれる描写がありました。米国ではジョブ型が採用されていますので、各持ち場に役割と権限が明確に線引きされていることも映画の中では描かれています(多少の演出はあると思いますが)。作業の範囲や判断の範囲、決定権などが役割ごとにあり、各社員は自分の持ち場を超えて職権を行使できないようになっている印象でした。(もしかすると、これがジョブ型の弱点になるのかもしれません。)
日本もジョブ型制度へ移行されていますが、流行に惑わされず経営を中心にジョブ型、メンバーシップ型両方の長所短所を理解した上で、事業戦略と親和する新しい時代の制度をイメージし構築していくほうが健全ですね。